Poul Kjaerholm
ポール ケアホルム
1929−1980

当時の北欧のほとんどのデザイナーが木を素材と
してデーニッシュデザインの世界を確立させてきた
のに対し、スチールを使い、繊細で鋭くそれでいて
優しさのあるディティール、厳格なプロポーションと
ラインの処理は観る者の心を浄化してくれます。
■ハンモックチェアー PK−24 (1965)
W670×D1550×H870/SH1520 29kg 

スチールを使った作品が多いなか、この作品はステンレスを使用しています。
ステンレスフラットバーでできているベースの上に薄いステンレスのベルトが渡してあり、その上に
籐張のシートが載っています。シートは傾斜角度を自由に変えることができます。
枕カバーはヤギ皮で、おもりがわりのステンレスバーが椅子背面にぶら下がっています。
枕もまた自由に位置を変えることができます。
写真から受ける印象はシャープで繊細ですが、実際に座ってみるとルーズで大胆にできているよ
うに感じます

シートのカーブはしっくりと体になじみ、居眠りにうってつけです。
■ポール・ケアホルムのプロフィール
1929 1月8日デンマーク生まれ
1952 School of Arts Crafts、and Design 卒業
1953 ハンナ・ダムと結婚
1952〜59 フリッツ・ハンセン社、Prof.Erick HerlowやProf.Palle Suensonのもとで働く
1955〜76 School of Arts Crafts、and Design 家具デザイン科 教授
         王立美術大学家具デザイン科 講師
1976 王立美術大学家具デザイン科 教授
1980 4月18日死去
■イージーチェア EKC−27 (1971)
W710×D770×H710/SH340 
11.4kg

ジョン・F・ケネディセンターのためのイー
ジーチェア(1965)をリ・デザインしたも
のです。
木製で、逆U字形の脚とシートとはゴム
のブロックでジョイントされ、キャンティレ
バー構造になっています。 
■イージーチェア PK−22 (1955)
W630×D670×H710/SH347 
12.4kg

ミースのバルセロナチェア(1929)を超
えようとデザインされたと言われている
一品です。
フラットバーの脚とシート部分とはネジ
止めになっています。
シートは革張りの他、籐張りや布張りも
あります。
■イージーチェア PKO (1952)

成形合板の組合せでつくられた実験
的な作品です。
強度・弾力性・座りごこちを積層材の
厚みの違いでバランスさせています。
写真は1997年にフリッツ・ハンセン
社が限定製作したものです。
1945年に製作したイームズのLCW
を彷彿させます。
■アームチェア PK−11 (1957)
W640×D450×H650/SH410

笠木はアッシュ集成材、シートは革
張り、フレームはスチールの3本脚
で構成し ています。
■ダイニングチェア PK−9 (1960)
W560×D600×H740/SH410

シートは革張り、フレームはステンレス
の3本脚で構成しています。
■スツール PK−91 (1961)
W600×D450×H370/SH383 
7.4kg

脚部の交差するところには、開閉を滑ら
かにする為、小さなボールベアリングが
使用されています。座の革張りは表と裏
の二枚合わせになっています。
■イージーチェア PK−1 (1956)
W500×D440×H710 

原型は1954年のもので、二枚の成形
合板を左右対称に組み合わせたシート
でしたが、その部分をロープや籐に変
えたものになりました。
 
■ルイジアナチェア (1976) 
  W600×D500×H585/SH210

コペンハーゲンの北方にあるルイジア
ナ美術館の中のコンサートホールの為
にデザインされました。
背と座は薄い板で編まれています。
座は跳ね上げ式のキャンティレバー構
造になっています。
■イージーチェア PK−20 (1967)
W825×D760×H880/SH357
26.5kg

シートは脚部から浮かせてジョイント
しています。
シートは革張りで、フレームは艶消し
クロームメッキのスチールです。
また、同じ円筒状のヘッドレストが付
いていないものもあります。